【地方競馬】ばんえい競馬、砂利確保に苦慮　帯広競馬場

毎年ダンプカー300台分
【帯広】ばんえい競馬が開かれている帯広競馬場で、走路に敷く砂利の確保に帯広市が苦慮している。
道内4市の共同開催から、帯広市の単独開催に変わった2007年度以降、レースが急増。
馬が引く鉄のそりで砂利が削られ、砂ぼこりで馬も人も悩まされるようになった。
砂利は毎年入れ替えているが、高品質の砂利を探すのが難しくなっており、レース環境維持のため砂利を洗って再利用する案も出ている。

4月上旬。帯広競馬場で砂利が入れ替えられた。

「硬くて砕けにくい砂利が見つからない」。

施工業者はこう明かした。

帯広競馬場で使われる砂利は、通常より小さい直径5～7ミリの通称「ビリ砂利」。
これを35～40センチの厚さで走路に敷く。
それでも重さが最大1トンのそりで砂利が摩耗し、砂ぼこりを起こす。
毎年交換する砂利は計2300立方メートル。ダンプカー300台分だ。

レース増え摩耗、ほこり発生
今年も行われた走路の砂利交換作業＝4月5日（井上浩明撮影）

環境の改善は急務だ。
20年度に年間最多勝を記録した阿部武臣騎手（48）は「7、8年前から砂ぼこりがひどく、乾燥すると隣を走る馬や前方が見えないほど。レースで息が上がる馬が、汚れた空気を吸うのはかわいそう」と話す。
走路が見えなくなると着順判定にも影響。水をまくとそりが滑りやすくなり、勝敗に影響する難点もある。

帯広市や砂利業者によると、ビリ砂利はばんえい競馬以外に使い道が少なく、出回る量が少ない。
半世紀前は根室やオホーツク管内の河川で採取したが、河川法などで規制されたため、最近は十勝管内の十勝川に近い畑から採取してきた。

年間70日弱だった帯広でのレースの開催日数は、07年度以降150日前後と2倍以上に急増。砂利の摩耗が早くなり、11年度から毎年交換するようになった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/615248752e8c0c9d58c465c5c290005e881927f7
砂ぼこりが上がる帯広競馬場。新しい砂利に入れ替えたが、なかなか改善されない＝4月23日（小久保友香撮影）